秘蔵油を使いまくったバイデン政権が一時的なCPI低下を演出!?

逆CPIショック以降、米ドル円は大幅に下落してから徐々に上昇してきましたが、頭が重い状況です。
米ドル円の騰落につられてメキシコペソ円も騰落をしますので、メキシコペソ円も同じ状況であるように見受けられます。

先週はFOMCメンバーのうち多数がタカ派な発言をしたことから、日米の高金利差を意識した円キャリートレードが復活しつつあります。ただし、先月ほどの勢いはなく、11/15(火)につけた底から2.7円ほどの上昇にとどまっています。

ドル円またはメキシコペソ円の騰落のキーは、今後の米CPIの結果であることは間違いないでしょう。
今後、米CPIは上がるのか!?下がるのか!?それが~~一番大事~~~♪

FOMCメンバーによるタカ派発言は、逆CPIショックで過熱した米国株や米国債権市場に冷や水を浴びせるためのポーズであるという内容を報じたメディアが少なからずありましたが、彼らの述べる内容の妥当性が確認できるエビデンスも少なからずあるのです。米国CPIは一時的に低下したにすぎない。だからFF金利を上げざるを得ないと発言しているのかもしれませんね。

バイデン政権は、中間選挙前に、インフレを抑え込めさえすれば民主党が中間選挙で勝てると信じ込んで、インフレ鎮静化に努めてきました。それでやってきたことの一つが、今年5月から6カ月間に渡る戦略備蓄原油(SPR)の放出です。大量の戦略備蓄原油を放出し、CPIのうちのエネルギー価格を押し下げてきました。

戦略備蓄原油(SPR)とは、インフレ等で困ったときに使えるよう前もって米国内に備蓄しておいた秘蔵の原油になります。問題なのが、バイデン政権は過去に例をみないほどむちゃくちゃに使ってしまったことです。6か月間で1.8億バレル(100万バレル/日)も使ってしまいました。

下図は、米国の戦略備蓄原油・在庫量の推移を表したグラフです。

1.8億バレルを使った結果、秘蔵油の在庫量は、約3.96億バレルになりました。これは1984年以来の水準まで減少したことになります。つまり、38年分の備蓄を消費しちゃったんですね。(あんた使い過ぎ!!)
この奥の手も使えなくなってきましたから、来月以降のCPIが下げ渋る可能性は排除できません。

下図は、米CPI(前月比)内訳の推移を表したグラフです。

8,9,10月のEnergyがマイナスだったのに対して、先々週発表されたCPIは+0.5%程度上昇しています。奥の手が効かなくなっているようです。

住居費高騰は材木バブルが原因だった!?

  • 米CPI住居費高騰背景
    • 山火事等で木材が高騰
    •      ↓
    • 木材バブルが発生
    •      ↓
    • 新築物件価格が高騰
    •      ↓
    • 新築住宅販売件数が下落
    •      ↓
    • 一軒家に住めない人の足元を見て賃貸業者が賃料を値上げ
    •      ↓
    • 住居費インフレ上昇または高止まり

前回の米CPIの結果で、一番困ったちゃんだったのが住居費でした。
住居費はCPI全体の約3分の1、また、コアCPIの約5分の2を占める重要項目なのにもかかわらず、下がる気配を見せません。逆に上がっちゃっています。

下図は、住居費の先行指標といわれているS&Pケースシラー住宅価格のグラフです。

上図のとおり、S&Pケースシラー住宅価格は、今年3月でピークアウトしています。
この結果から、住居費もそろそろ下がるだろうと相場参加者の間では予想されていますが、その考え方はちょっと安直なのではないでしょうか。

下図は、材木先物の月足チャートになります。


なんといっても住居費の高騰は、木材バブルから始まっています。
2020年8月から高騰し、落ち着いたのは今年9月です。木材バブルは、2か月前まで2年間ほど続いていました。(その頃、山火事のニュースが多かったですよね。住居費インフレは山火事が原因!?)

下図は、米新築住宅販売件数の推移を表したグラフです。

材木バブルが始まった2020年8月から急落して、下落トレンドを形成しています。木材が高いと新築物件の価格が値上がりします。それで、新築物件が買われなくなったわけです。(最近は逆三尊みたいなチャートパターンを形成しつつあるので、もしかしたら、これから上がっていくかもしれませんね。)

なにせ、賃貸業者ってやつは、新築が売れていないのを確認し、賃貸希望者が増えるのを見込んで、家賃を引き上げています。そして、賃貸希望者は1年や2年契約を結ばされて、高騰した家賃を支払い続けています。
こうした構図が原因となって、住居費インフレはしばらく高止まりし続けそうです。

今週の押し目買いタイミングはここだ!!

やはり、メキシコペソ円の基本戦略は、押し目買いです。
上述したとおり、米CPIは高止まりすると予想できるため、FF金利も1年から2年は高止まりし続ける見通しです。
メキシコ中銀の政策金利はFF金利に追随していますので、こちらも高止まりし続けるでしょう。
そのため、メキシコペソ円が落ちたところは、しっかり押し目買いしていきましょう。

以下が今週の押し目買いポイントになります。

1つ目は、FOMCメンバーによるハト派発言があった場合です。その場合、ドル円が下落し、メキシコペソ円もつられて下落するはずです。
しかしながら、先週、ハト的な発言が一部ありましたが、下落は限定的でした。大幅な下落は期待できません。

2つ目は、日本時間11月23日(水)22:30に予定している「米PMI(購買担当者景気指数) 11月」の発表です。
市場予想を下回った場合、景気後退懸念が増大して、FRBの利上げ減速が見込まれ、ドル円は下落しメキシコペソ円もつられて下落するでしょう。

3つ目は、日本時間11月24日(木)4:00に予定している「FOMC議事録 11月」の発表です。
FRBの利上げ減速が示唆された場合、ドル円は下落しメキシコペソ円もつられて下落するでしょう。

4つ目は、日本時間11/25(金)21:00に予定されている「メキシコ実質GDP(前年比)と(前期比)」です。
結果が予想より下がればメキシコペソ円は下落するでしょう。重要度は中クラスなので、動きは限定的かもしれません。

5つ目は、日銀が利上げまたはYCCの手直しを示唆した場合、ドル円とメキシコペソ円は急落するでしょう。
先日、日本のCPIの結果は、3.7%(前年同月比)と発表されました。これは40年来の高さになります。
利上げはあり得ないかもしれませんが、YCCの変動幅を上下0.25%から引き上げることはあり得なくもない話です。いやー、これは爆弾ですね。みんなこれは無いと思っていますから、そこに来て、このような発言があったら、どっかーん!!です。爆発♪ 爆発♪ 科学戦隊ダ~イナマ~~ン♪

今週のメキシコペソ円はどこまで下がるのか!?

上述したようなメキシコペソ円の下落があった場合、どこまで下げるのかについてテクニカル分析をしたいと思います。

下落が一服するポイントは、先週から引き続き、20週MAラインとなります。
下図はメキシコペソ円の週足チャートです。

現在の20週MAライン(緑色ライン)は「6.9879円」辺りにありますが、今後は値が変わりますので、実値についてはチャートを確認しなければいけません。
なお、上記値は、現上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.5あたりということにもなります。

次に下落が一服するポイント(押し目買いポイント)は、現上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.618(現在:6.8436円辺り)になります。

大変不気味なのが、チャート下段のMACDです。先週、デッドクロスしてしまいました。
直近でデッドクロスをしたのは、7/18になります。その時は、デッドクロス後、ローソク足が20週MAラインで反発上昇して、デッドクロスは解消されています。

今回もそのような動きになるかと想定していますが、もし、20週MAラインを下抜けた場合は、中期的な下落相場となってしまいます。その場合、次に押し目買いポイントになるのは、週足ボリンジャーバンドの-3σ(現在:6.100円辺り)になります。

ちなみにMACDのパラメータは以下のとおりです。

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