相場が不安定な状況下でストラテジーはうまく機能しない…

このブログでは、相場における不安定な状況下において、FX自動売買プログラムであるストラテジーがうまく機能しないという話をしてきました。

ストラテジーがうまく機能しないとはどういうことかと言いますと、利益を出すためのプログラムであるストラテジーが、損切りをして決済をしてしまうということです。

つまり、相場における不安定な状況下でポジションを持ったストラテジーは、損切りをしやすいということです。

そのような特性を持つストラテジーをうまく使いこなすためには、徹頭徹尾ストラテジーに任せていてはいけないという結論に至りました。ストラテジーがポジションを持っている間、相場の安定性を推し量り、不安定と判断した場合、手動で決済することを検討しなければいけません。

相場の不安定性を判断する方法 その1

相場の不安定性を判断する方法の一つ目は、参照用ストラテジーを利用した判断方法です。

有効対象ストラテジーとは、参照用ストラテジーの中から成績の良いものを選抜したストラテジーです。有効対象ストラテジーを有効にする条件は、同一通貨ペアの参照用ストラテジー達が、「売建玉のみ、または、買建玉のみを保有した場合」です。
詳細はコチラを参照してください。

実践トレードでは、参照用ストラテジー(有効対象ストラテジーを含む)が、同一通貨ペアにおいて売建玉と買建玉の両方を持った場合、相場は不安定であると判断します。

相場の不安定性を判断する方法 その2

相場の不安定性を判断するには、株式、国債、オプションの取引量やボラティリティ等、様々な相場の動向を確認しなければいけません。一つ一つ確認するのは大変な時間と手間を要します。一つ一つ確認することも大切ですが、これを一発で確認できる指標がありますので、以下に紹介します。

CNN Businessというサイトで発表されている「Fear&Greed Index(フィアー&グリードインデックス)」と呼ばれる指数です。相場の過熱感を推し量る指数であり、100に近づくにつれ、相場が過熱していると判断します。その一方、0に近づくほど、相場が冷え込んでいると判断します。

実際に現在の「Fear&Greed Index(フィアー&グリードインデックス)」を確認してみましょう。


昨日の米国雇用統計発表後、ドル円等の為替相場は過熱気味でしたが、相場全体では冷え込んでいるのがわかります。

この指数が20以下である「Extreme Fear」、または、75以上である「Extreme Greed」の場合、相場の不安定性は高いと考えます。

実践トレードでは、「Fear&Greed Index」が、31以下、または69以上の場合、相場は不安定と判断します。

「Fear&Greed Index(フィアー&グリードインデックス)」ってなにもの!?

この指数を利用するトレーダーは多いらしく、それなりに定評がある指数のようです。以下の7つの指標を分析し、指数化しているといわれています。

1.株価の強さ
2.相場のモメンタム
3.ジャンク債の需要
4.株価の変動幅
5.プットオプションとコールオプションの取引量
6.安全資産への逃避需要
7.相場のボラティリティ

過去の「Fear&Greed Index」数値も確認できる

過去の「Fear&Greed Index」の数値を確認するには、同ページで「Timeline」ボタンをクリックするだけです。
下図が「Timeline」になります。
特定の日付のデータを確認したい場合は、グラフ上をマウスオーバーするだけです。下図は、5/10のデータを表示しています。


先日大敗を喫したトレードは大勝ちできた!?

6/1に大敗を喫したストラテジーは、途中まで、評価益を出しており、5/10には350pips以上の評価益を出していました。

5/10の「Fear&Greed Index」数値は11であり、これは「Extreme Fear」に分類されます。
また、同一通貨ペアの参照用ストラテジーのうち二つのストラテジーが、逆方向にポジションを持ち始めていました。

これらの二つの事柄を考慮すれば、5/10に、建玉を手動で決済し、350pips以上の評価益という果実をもぎ取ることができたでしょう。

ストラテジーを手動決済するルール

ストラテジーを手動決済するルールは以下のとおりです。

「相場の不安定性を判断する方法その1」かつ「相場の不安定性を判断する方法その2」で、不安定と判断した場合、ストラテジーを手動で決済します。

その1とその2のアンド条件を満たした場合に手動決済をして、いずれか1つの条件しか満たさなかった場合は、そのままトレードを続けます。

手動決済は吉と出るか凶と出るか…

昨年実施していた検証の期間は、一度も手動決済をせず、そこそこの収益を出しました。そのため、実践トレードでも手動決済はしないでおこうと思っていたのですが、どうもカチッとした収益が出てくれません。

検証中に、一度だけ、R国によるU国侵攻のとき、300pipsの損切りをするストラテジーがおりました。そのとき、対処方法を検討しておけばよかったとつくづく反省しています。
すぐに持ち直したので、当時、改善する必要はないと判断してしまいました。

今後は手動決済をしますが、長いスパンで考えると、手動決済しなかったほうが利益が出たという結果になるかもしれません。手動決済は吉と出るか凶と出るか…