先週は炭鉱のカナリアとして知られている「米)ISM非製造業景況指数」が予想値と前回値を下回り、景気後退が意識され、一時的にドル円は下がりました。その後、今週発表予定の二大イベントを前にして様子見の展開となり、週の騰落比率は0.4%の下落に留まりました。その一方、メキシコペソ円は、中南米通貨の人気に支えられ、また、メキシコ中銀が「政策金利を現在の水準で長期間維持する必要がある」と表明したこともあり、押し目買いが旺盛となり、1.13%上昇しました。
 今週は為替相場に多大な影響を及ぼす重大イベントが二つあります。ひとつは、13日 (火曜日)21:30に発表される「米)消費者物価指数(CPI)」です。市場予想では、大幅鈍化が見込まれています。もうひとつは、翌日14日 (水曜日)27:00に発表される「米)FOMC政策金利」です。パウエル議長と副議長に就任する予定のジェファーソンFRB理事の二人が金利据え置きを示唆しており、また、FF金利先物市場においても金利据え置きについて70%も織り込まれている状況です。どちらも予想どおりであれば、ドル円は下落することになるでしょう。
  • 「米)消費者物価指数(CPI)」は大幅鈍化見込み
  • 「米)FOMC政策金利」は金利据え置き!?SEPとパウエル議長発言にも要注意!
  • メキシコペソ円の利益確定ポイントについて
  • メキシコペソ円の押し目買いポイントについて

「米)消費者物価指数(CPI)」は大幅鈍化見込み

 以下は、CPIのうちの食料インフレ(前年比)についてここ一年の推移になります。

 食料インフレに関しては、8カ月連続で鈍化しており、今回も鈍化が見込まれています。

 また、米EIA調査によると、4月から5月にかけてはガソリン価格が低下しており、エネルギーインフレも鈍化が見込まれています。
 
 以下は、住居費(家賃)インフレ(前年比)についてここ三年の推移になります。

 住居費(家賃)インフレは前回8.1%と前々回の8.2%から小幅ながら鈍化しました。前回の住居費(家賃)インフレは2021年2月以来の鈍化となり、今回も鈍化が見込まれています。

 以下は、CPIの総合指数(前年比)についてここ一年の推移になります。

 CPI総合指数に関しては、10か月連続して鈍化しており、今回は4.1%と大幅な鈍化が予想されています。
 
 食品とエネルギーを除いたコア指数についても確認してみましょう。
 以下は、CPIのコア指数(前年比)についてここ一年の推移になります。

 コア指数に関しては、鈍化傾向にありますが高止まりしている状況です。今回は、5.3%に鈍化する見込みとなっています。

 最後に、クリーブランド連銀のCPI予想(前年比)も確認しておきましょう。

 総合指数が3.27%であり、コア指数が5.12%です。市場予想よりも低い値ですね。

 上記のとおり、市場や連銀の予想は、大幅鈍化を見込んでいます。予想どおりまたは予想より低い値になったときは、インフレ懸念が後退しますので、ドル円は急落するでしょう。ドル円の下落につられてメキシコペソ円も下落しますが、メキシコペソがいつも通り強含めば、下げは限定的となりそうです。

「米)FOMC政策金利」は金利据え置き!?SEPとパウエル議長発言にも要注意!

 冒頭にも記載したとおり、今回の政策金利については、パウエル議長と副議長に就任する予定のジェファーソンFRB理事の大御所二人が、金利据え置きを示唆しています。しかし、他のFOMCメンバーは金利据え置きと利上げについて意見が割れている状況です。
 そこで、このブログでよく紹介している「FOMC - Hawk/Dove Analysis」で各メンバーのタカ派・ハト派度合いを確認してみましょう。

 重要人物は2023年のVoter(投票権を有するもの)にチェックがあるメンバーです。
 パウエル議長とジェファーソン理事よりもハト寄りなメンバーは5人であり、その一方、タカ寄りなメンバーは3人です。
 各メンバーの発言内容は無視して、立ち位置だけで確認すると、今のFOMCはハト寄りだと言えます。今回は、ほぼ金利据え置きで決まりでしょうね。
 
 市場予想では、金利据え置きについて70%が織り込まれており、0.25%の利上げについては30%が織り込まれています。今回、金利据え置きとなれば、日米の金利差に変更はなく、金利差拡大を織り込んでいたドル円相場参加者は失望売りをすることになるでしょう。そうなると、ドル円は下落します。ドル円の下落につられてメキシコペソ円も下落しますが、メキシコペソがいつも通り強含めば、下げは限定的となりそうです。

 また、6月は「Summary of Economic Projections(SEP)」がアップデートされます。
 以下は、前々回(2022年12月時点)と前回(2023年3月時点)のドットプロットです。

 2023年末予想中央値は、前々回も前回も5.125でした。今回、この中央値が上回る可能性があります。今回に関して金利据え置きでも次回は利上げをするという旨の発言は、随所で確認されています。この中央値が5.125を上回れば、上記で記載したドル円下げ要因は帳消しとなるかもしれません。

 さらに、声明やパウエル議長の発言で、追加利上げを意識させる内容が報じられた場合、ドル円は上昇することになるでしょう。ドル円の上昇につられてメキシコペソ円も上昇するでしょう。

メキシコペソ円の利益確定ポイントについて

 メキシコペソは相変わらず強いですが、今週も「5pips、10pipsの刻みライン」で小刻みに利確します。
 なお、先週は、8.05円で利確しています。

 大きめに利確したいポイントは、今週も日足ボリンジャーバンドの+3σですね。現在は、下図のとおり、「8.229円」辺りに位置します。このポイントは動きますので、価格が近づいてきたらチャートで現在値を確認してください。
 先週までは、このポイントでほとんどの買いポジションを利確するという強気モードでしたが、最近のメキシコペソの強さを考慮して、今週からは控えめに利確したいと思っています。

メキシコペソ円の押し目買いポイントについて

 先週まで、200日MAで押し目買いをすることを予告していましたが、今週はもう少し上でも拾いたいと思います。
 以下に掲載したドル円の日足チャートを確認してください。


 ドル円の価格は4月から青いチャネルラインを辿ってきました。
 チャネルラインの下限(6/12であれば、赤い水平点線と交差する位置:138.404円)付近で反発したポイントが狙い目です。このポイントでメキシコペソ円を押し目買いしたいと思っています。
 
 次の押し目買いしたいポイントは、やはり、メキシコペソ円の200日MAですね。
 前項で掲載したメキシコペソ円の日足チャートを確認してください。
 現在、200日MA(紫色ライン)は「7.256円」辺りに位置します。このラインも動きますので、近づいたら現在値をチャートで確認してください。
 注意してほしいのが、200日MAで直ぐに利確すべきではないという点です。オレンジ色の丸で囲んだ個所を確認してください。ローソク足が200日MAに突っ込み始めてから下に若干もぐっていますよね。1時間足や15分足で下値が堅くなったとことを確認してから利確しましょう。

 次に抑えておきたい押し目買いポイントは、先週に続き7円あたりで下値が堅くなったところです。
 7円は100pips刻みラインであり、市場参加者が意識するポイントです。

 次に抑えておきたい押し目買いポイントは、これも先週に続き週足ボリンジャーバンドの-3σです。以下に掲載したメキシコペソ円の週足チャートを確認してください。

 現在、週足ボリンジャーバンドの-3σは「6.397円」辺りに位置します。このポイントも動きますので、価格が近づいてきたらチャートで現在値を確認してください。

 ちなみに、本ブログで紹介した押し目買いポイントのうち直近で到達したポイントは、「6.6272円(到達日2022/12/20)」です。
 「8/2から10/21までに形成された上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.786(6.6272円)」の価格になります。

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