今週は、今後のインフレを占うための重要な経済指標が二つ発表されます。
 ひとつは、27日 (火曜日)に発表予定の「米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数」です。先週、パウエルFRB議長は議会証言で「住居費インフレは大幅に低下する。」と発言しました。当該経済指標は、住居費インフレの先行指標と言われており、昨年3月から数値が急落しています。今回も前回値より下落した場合、パウエル議長の言明の裏付けとなり市場からフォーカスされるでしょう。
 もう一つは、30日 (金曜日)に発表予定の「米)個人所得 PCEデフレーター」です。CPIに続き、こちらも鈍化することが予想されています。
 両指標とも予想どおり低下した場合、インフレ懸念が後退するため、ドル円とメキシコペソ円は下落するでしょう。
  • 最も危惧されている住居費インフレの行くえ
  • 米CPIに続き鈍化が予想されている米PCEデフレータ(コア指数の予想値は横ばい)

最も危惧されている住居費インフレの行くえ

 インフレの中で最も粘着性があり、鈍化することが危惧されているのが、住居費インフレです。その先行指標と言われている「米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数」が、今週発表される予定です。

 13日に発表されたCPIで、住居費インフレに関しては、前年比「8.0%」でした。小幅な鈍化となりましたが、2カ月連続で鈍化しており、鈍化傾向にあります。

 以下は「米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数」の推移をグラフにしたものです。

 

 昨年3月を境に急落しているのがわかります。この指標と住居費インフレは、1年から2年間のタイムラグがあると言われています。そうなると、もうそろそろ住居費インフレについても「米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数」に沿って急落するかもしれません。

 パウエル議長が議会証言で「住居費インフレは大幅に低下する。」と発言していることもあり、市場はこの経済指標に注目していることでしょう。当該指標が下落した場合、一番困ったちゃんの住居費インフレちゃんが今後は下がるかもしれないと、市場参加者は息巻いて相当なドル売りを仕掛けるかもしれません。

米CPIに続き鈍化が予想されている米PCEデフレータ(コア指数の予想値は横ばい)

 PCEデフレータは、FRBが参照している経済指標であり、とても注目されています。
 13日に発表された米CPIの前年比は「4.0%」でした。前回値の「4.9%」から大幅に鈍化しました。コア指数の前年比は「5.3%」であり、前回値の「5.5%」から鈍化しています。

 CPIと同様に、今回のPCEデフレータも鈍化することが期待されています。
 PCEデフレータの総合指数予想値は、前年比「3.8%」であり、前回値「4.4%」から大きく鈍化すると予想されています。ただし、コア指数予想値については、前年比「4.7%」であり、前回値と同一です。

 CPIに関しては、ガソリン、食料品と医療サービスの鈍化が、目立ちました。ガソリンと食料品の鈍化は、PCEデフレータ総合指数に関しても強く影響を与えそうです。また、コア指数に関しては、医療サービスの鈍化が強く影響を与えそうです。

 最後に、クリーブランド連銀が発表している「Inflation Nowcasting」も確認しておきましょう。

 
 PCE総合指数が「3.23%」であり、コア指数が「4.44%」です。どちらも市場予想より低いですね。

 市場予想や前回値よりも低い結果が発表された場合は、インフレ懸念が後退しますので、ドル売りとなるでしょう。

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