日本時間5/28朝、米連邦政府の法定債務上限を引き上げ、債務不履行を回避することで原則合意に達したとのニュースが報じられました。債務上限問題が先延ばしにされるたびに、米国債は売られ続けていましたので、今週は買い戻されることになるでしょう。ドル円騰落のドライバーとなる米2年債の利回りが下がる公算が大きいため、ドル円とメキシコペソ円は下落する可能性が高いです。今週は、5/31に「米)JOLTS求人件数」、6/1に「米)ISM製造業景況指数」、そして週末には「米)雇用統計・失業率 ・平均時給」も発表され、予想よりも低い結果となればドル円とメキシコペソ円の下落に拍車がかかります。また、世界で最も危険な火山の一つとされているメキシコのポポカテペトル山の活動が活発化し、煙や灰、溶岩の噴出が見られるのを受け、「避難準備」勧告が発令されています。先週に続き今週も最大級の警戒をしながらトレードをする必要があります。
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マイメイト
  • 先週のドル円上昇要因は、債務上限問題リスク回避とFOMC追加利上げ期待の織り込み
  • 強かった米経済に陰り
  • メキシコの火山がやばいってばよ
  • メキシコペソ円の利益確定ポイントについて
  • メキシコペソ円の押し目買いポイントについて
●メキシコペソ円スワップ「260円/日」(2023/5/29)
●ドル円スワップ「205円/日」(2023/5/29)
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先週のドル円上昇要因は、債務上限問題リスク回避とFOMC追加利上げ期待の織り込み

 先週のドル円とメキシコペソ円は、米債務上限問題リスクを回避する思惑とインフレ懸念が高まるなかFOMCの追加利上げ期待を織り込むという二つの要因で上昇しました。

 先週発表されたはPCE等の経済指標では、たしかにインフレの高止まりを示す結果となりましたが、市場は今までよりも強い力でFOMCの追加利上げ期待を織り混みました。
 FOMCメンバーで最大のタカ派であるセントルイス連銀のブラード総裁があと2回の利上げが必要であると発言したことが追加利上げ期待に拍車をかけたという専門家が多いようですが、今年、彼は投票権を持っていません。また、大御所のパウエルFRB議長がハト派な態度をとっているわけですし、追加利上げ期待とそれに伴うドル円上昇に関しては一時的な反応であったといえるでしょう。

 また、米債務上限問題については、ほぼ解決されたので、いままで売られていた米国債は買い戻されるはずです。そうなると、ドル円騰落のドライバーとなる米2年債の利回りが下がる公算が大きいため、ドル円とメキシコペソ円は下落する可能性が高いです。

 そして、債務上限合意後のドル円急落のリスクは、上記だけではありません。2011年にも債務上限問題が起きており、その年の8月に合意に至ったのですが、合意後にも関わらず格付け会社が米国債を格下げしたんですね。格下げ後、ドルも市場から信任が得られず、ドル円は急落してしまいました。有名な話ですね。今回もなくはない話です。

強かった米国経済に陰り

 以下はアトランタ連銀が発表しているGDPNowです。この指標は、GDPのNowな値をアトランタ連銀が予想して公表しているものです。

 上図のGDPNow estimateを確認すると、先週は下がり続けており、5/26(金)にはついに2%を下回りました。
 景気後退の方向に進んでいることが示唆されているにもかかわらず、市場はFOMCの追加利上げ期待を膨らませてきました。市場がFOMCの追加利上げ期待を織り込むたびに米2年債利回りは上昇し、それに連動してドル円とメキシコペソ円も上昇しました。
 いままでの定石では、景気後退懸念が高まれば、FOMCの追加利上げ期待は後退していたのです。いままでの流れとは逆行してドル円が上昇していたので、やはり先週のドル円の値動きは一時的な上昇であったといえるのではないでしょうか。

 今週米国で発表される予定の経済指標のうち「JOLTS求人件数」「ISM製造業景況指数」「雇用統計・失業率・平均時給」は、とても相場にインパクトを与えるものです。
 「JOLTS求人件数」は、FRBも参照していることから大変注目されている指標です。今回の予想値は977万人前後と、3月の959万人から増加見込みです。
 「ISM製造業景況指数」の今回の予想値は、47.0と前回の47.1から鈍化見込みです。
 「非農業部門雇用者数(NFP)」の今回の予想値は、前月比+18万人と、前回の+25.3万人から伸びが鈍化見込みです。「失業率」の今回の予想値は、3.5%と前回の3.4%から0.1%悪化する見込みです。また、「平均時給」の今回の予想値は、前月比+0.3%・前年比+4.3%と前回の前月比+0.5%・前年比+4.4%から鈍化見込みです。

 JOLTS以外は景気後退が示唆された予想内容です。FOMCメンバーのほとんどは追加利上げについてはデータ次第で決定すると発言しています。これらの経済指標の結果が前回よりも悪かった場合、または、予想値よりも悪かった場合は、追加利上げ期待は一気に後退し、ドル円とメキシコペソ円も下落するでしょう。

 ちなみに、6/2には「メキシコ)失業率」の発表もありますので、メキシコペソホルダーの方はこちらもご注意ください。

メキシコの火山がやばいってばよ

 5/21、メキシコの国立防災センターは、世界で最も危険な火山の一つとされているポポカテペトル山の活動が活発化し、煙や灰、溶岩の噴出を観測したため、避難準備の勧告を発令しました。
 ポポカテペトル山はメキシコの3州にまたがる火山であり、影響範囲である半径100キロ以内には、約2500万人が住んでいるそうです。
 5/20には、降灰のため2か所の空港で全便の運航が一時停止されました。すでに経済活動に影響を与えている状況です。これ以上火山活動が進んでしまうと、避難命令が発令され、メキシコ経済に甚大な被害を与える可能性があります。

 日本も富士山の噴火可能性がありますから、他人事ではありませんね。ましてやメキシコペソホルダーにとっては気が気ではありません。溶岩が噴出しているって相当やばそうですね。どれだけメキシコ経済に影響を及ぼすのか推測できませんので、リスクを煽り散らすのはやめておきます。(最近のオカタツは、ただのリスク煽りおじさんに捉えられがちです。知っておいてほしいのは、大丈夫なときは「だいじょうぶだあ」とちゃんと記載しています。。)

メキシコペソ円の利益確定ポイントについて

 やはり、先週に続き、急落を警戒して「5pips、10pipsの刻みライン」で小刻みに利確したいところです。
 先週は、ブログ(@Ryujuok)でつぶやいた通り、7.85円と7.95円で一部利確しました。なお、7.9円は上値が重くならず、すんなり超えたので利確していません。
 今後は8円と8.05円近くで、上値が重くなったところで小刻みに利確する予定です。

 大きめに利確したいポイントは、先週に続き日足ボリンジャーバンドの+3σですね。現在は、下図のとおり、「8.093円」辺りに位置します。このポイントは動きますので、価格が近づいてきたらチャートで現在値を確認してください。なお、現在バンドウォークを起こしていますので、ローソク足がこのラインに近づくと、更に当該ラインも上昇してなかなか達することはなさそうです。そのため、「5pips、10pipsの刻みライン」ではポジションに余裕をもって利確してください。
 今のところ、8.09円辺りでほとんどの買いポジションを利確しようと思っています。

メキシコペソ円の押し目買いポイントについて

 先週に続き、200日MAは押し目買いしたいポイントです。
 前項で掲載したメキシコペソ円の日足チャートを確認してください。
 現在、200日MA(紫色ライン)は「7.2円」辺りに位置します。このラインも動きますので、近づいたら現在値をチャートで確認してください。
 注意してほしいのが、200日MAで直ぐに利確すべきではないという点です。オレンジ色の丸で囲んだ個所を確認してください。ローソク足が200日MAに突っ込み始めてから下に若干もぐっていますよね。1時間足や15分足で下値が堅くなったとことを確認してから利確しましょう。

 次に抑えておきたい押し目買いポイントは、これも先週に続き7円あたりで下値が堅くなったところです。
 7円は100pips刻みラインであり、市場参加者が意識するポイントです。ただし、200日MAとかぶりそうなので、かぶるときは無理して2回も押し目買いする必要はないでしょう。

 次に紹介したいポイントは、これも先週に続き週足ボリンジャーバンドの-3σです。以下に掲載したメキシコペソ円の週足チャートを確認してください。

 現在、週足ボリンジャーバンドの-3σは「6.324円」辺りに位置します。このポイントも動きますので、価格が近づいてきたらチャートで現在値を確認してください。

 ちなみに、本ブログで紹介した押し目買いポイントのうち直近で到達したポイントは、「6.6272円(到達日2022/12/20)」です。
 「8/2から10/21までに形成された上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.786(6.6272円)」の価格になります。

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