9/13に発表される「米消費者物価指数8月の前年同月比」は前回8.5%よりも下落する!?

昨日は、主要通貨でドルが全面安となりました。「米消費者物価指数8月」を9/13に控えていることもあり、調整のドル売りがあったようです。

8月に顕著な物価下落を示したのがガソリン価格です。
下図は、RBOBガソリン先物の週足です。


1か月で20%以上も下落しています。

全体的な商品価格も確認しておきましょう。
下図は前回も確認したSPGSCI指数です。なお、この指数の銘柄構成比率は「エネルギー7割、穀物・農作物2割、貴金属・非鉄金属1割」になります。

8月は6%程度下落しています。

これらの数値だけをみても、9/13に発表される「米消費者物価指数8月の前年同月比」の下落はほぼ確実といえるでしょう。
ただし、エネルギーと食品を除いたコア指数が下落をするのかは微妙ですね。。

スティッキーCPIの1つである住居費も下落!?

最近メディアでよく取り上げられているスティッキーCPIの話をしておきましょう。

スティッキーCPIとは、エネルギーや食品とは違って、なかなか変動しない粘着質のある物価指数のことです。こいつが下がらないとインフレは高止まったままになるといわれています。
CPI全体の3割を占める住居費は、スティッキーCPIの一つになりますので、住居費について確認しておきましょう。

この住居費の先行指標になるといわれているのが、「FHFA(米国連邦住宅金融庁)米国住宅価格指数」です。
なお、この指数の下落に遅行するかたちで家賃が下落する傾向があり、局面によって遅行の程度がまちまちです。

下図は米国住宅価格指数の過去データになります。


ここ数か月でみれば、明らかに下がっているのが見てわかりますが、8月の家賃に対してどのような影響を与えるのかについては判断しかねますね。。
なお、この指標は1か月遅れで発表され、次の発表が9/27になるため、2022年7月と8月のデータは反映されていません。(う~ん、使えそうで使えない)

来週前半はドル安・円高!?

9/13に「米消費者物価指数8月」されると、上記理由からインフレ懸念が後退するので、以下の黒板のとおりに金融市場は動くでしょう。

  • 条件:「米国インフレ懸念」より「米国リセッション懸念」が大きい
    • FF金利利上げの軟化
    • 米国長期金利が下落
    • 米国株上昇
    • ドル安
    • 円高

昨日は、黒田日銀総裁が円安懸念の発言をしたことから、一気に円高に振れました。
今まで、日銀総裁の発言が、こんなに為替相場に影響を与えることはなかったのではないでしょうか。それだけ、世界中のトレーダーが円キャリートレードに携わり、日銀の動向にも注目をしているんですね。

日銀総裁の発言だけで円安の牽制が可能であることを確認できたので、黒田総裁も味をしめて、あと数回は、同じように円安牽制発言ボールを投げるかもしれません。

そんなこんなで、来週前半はドル安・円高になりやすいと考えられます。