FOMC経済見通し VS 債権市場参加者経済見通し

先週は、FOMCによるFF金利と経済見通し(SEP)の発表、また、メキシコ中銀による政策金利の発表がありました。

先週のFOMCではドットプロットも発表されました。ドットプロットとは、FOMCメンバーの政策金利見通し水準をドットで示したものです。
前回9月に発表されたドットプロットは以下のとおりです。


今回12月に発表されたドットプロットは以下のとおりです。

前回9月と今回12月のドットプロットの差分を確認すると、FOMC中央値のターミナルレート(23年末時点レート)について、9月が4.625%なのに対し、12月が5.125%でした。
FOMCとしてはターミナルレートについて前回よりも更なる利上げを示唆したわけですが、ドル円の反応は限定的でした。

次にご確認いただきたいのは、12月のFOMC経済見通し(SEP)です。 以下は経済見通しを一覧表にまとめたものです。

経済見通しのうちの失業率について、景気後退入りの目安となる5.0%よりも低い値が発表された。
FOMCメンバーは今後景気後退は無いと考えているようです。

これらの結果に不信感を抱いたのが、債券市場参加者です。
FOMCによる更なる利上げが示された後、いつもならば、中長期米国債なかでも2年物国債は売られて利回りが上昇していましたが、今回は、FOMC発表後に2年物利回りは下がりました。

また、ドットプロットでFOMCの23年末時点でのレートが「5.125%」であることが示されたことに対して、FF金利先物市場では、以下のとおり来年9月に利下げを織り込んできました。

債券市場参加者の間では、FOMCの経済見通しは信用されておらず、来年には景気後退がやってきて来年中に利下げをするものと考えられているようです。

ドル円は、米国債2年物利回りの騰落に連動して動いていますので、今回のFOMC発表後も2年物利回りといっしょに下落する格好となりました。
下図は、ドル円の日足チャートに米国債2年物利回り(US02Y)を追加したものです。チャートの下段は、ドル円と米国債2年物利回りのCC(相関係数)です。

ドル円と米国債2年物利回りが相関して動いているのがわかりますね。
飽くまで、ドル円はFOMCの見通しに沿って動いているわけではなく、債権市場の見通しに沿って動いています。
その点、ご留意ください。

そうはいっても、債券市場参加者の見通しを確認することは困難です。ニュース記事を眺めていても債権市場参加者の意見がマチマチであることがわかります。
意見が異なる債権市場参加者の間であっても「FOMCの金融政策では景気をオーバーキルする可能性が高い」という共通認識が生まれているのは確かでしょう。

今後、経済指標や要人発言で、景気後退懸念が示された場合は、今まで以上に中長期米国債は買われて、その利回りは下落するでしょう。そして、利回りが下落するとドル円とメキシコペソ円も連動して下落することになります。

また、FOMCメンバーによるタカ派発言は、相場を動かす効力が薄れたように見受けられます。
12/17、ハト派で知られているサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が「必要とあれば、11カ月かそれ以上、ピーク金利を据え置く用意がある」とのタカ派的な発言をしましたが、相場はあまり反応しませんでした。
今後、相場は、FOMCメンバーによるタカ派発言には耳を貸さず、ハト派発言に対して敏感に反応するようになるでしょう。ハト派発言があるたびに、ドル円とメキシコペソ円は下落することになるでしょう。

今週の押し目買いタイミングはここだ!!

以下が今週の押し目買いタイミングになります。

1つ目は、日本時間12月 20日 (火曜日)正午過ぎに予定している「日銀政策金利&声明発表」の発表です。
ほとんどありえないことですが、利上げまたはYCCの手直しを示唆した場合、ドル円とメキシコペソ円は急落するでしょう。

2つ目は、日本時間12月 23日 (金曜日)⋅08:50に予定している「日銀議事要旨公表(10月27日・28日開催分)」の発表です。
こちらもほとんどありえないことですが、利上げまたはYCCの手直しを示唆した場合、ドル円とメキシコペソ円は急落するでしょう。

3つ目は、日本時間12月 23日 (金曜日)21:00に予定している「メキシコ)貿易収支11月」の発表です。
メキシコの政策金利は先週に超高金利である10.5%となり、景気後退懸念が今まで以上に増大しています。
そこにきて、結果が市場予想を下回った場合、景気後退観測となるため、メキシコペソ円は下落するでしょう。

4つ目は、FOMCメンバーによるハト派発言があった場合です。
冒頭で述べた通り、ハト派で知られているサンフランシスコ連銀のデイリー総裁でさえタカ派発言をしていますので、FOMCメンバーによるハト派発言については無いかもしれませんね。もしハト派発言があった場合、ドル円とメキシコペソ円は急落するでしょう。

今週の押し目買いポイントはココだ!

先週は、このブログで3週間前から記載していた押し目買いポイントである「8/2から10/21までに形成された上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.618(6.8308円辺り)」に達しました。

その後、下図のとおり、ドル円が紫色ラインの200日MAでサポートされて反発上昇を繰り返しているため、メキシコペソ円もなんとか下落が一服しています。

しかし、メキシコペソ円は週足で見れば予断を許さない状況です。

下図はメキシコペソ円の週足チャートです。

チャート下段のMACDでデッドクロスをしてから、ローソク足がボディごと緑色の20週MAラインを下抜けてしまっています。その後、二つ星を形成しているのが確認できます。
これは上昇または下落のエネルギーを蓄えている状況です。今週、綺麗な陽線を形成すれば、上昇するサインとなります。一方、陰線を形成すれば、下落するサインとなります。また、二つ星を形成後、三ツ星を形成することもあり、これは日足で見れば、価格が横ばいに推移することになります。欧米ではクリスマス休暇が始まっているので、横ばいに推移して三ツ星を形成するかもしれません。
もし週足で陰線を形成した場合、ボリンジャーバンドの-3σ(6.4033円辺り)までの下げが視野に入ってきますので注意が必要です。

さて、下落した場合の押し目買いポイントは以下のとおりです。

下図はメキシコペソ円の日足チャートです。

先週から引き続き、紫色ラインの200日MA(現在:6.7659円辺り)になります。実値は、現在値と異なりますので、随時チャートを確認してください。

次の押し目買いポイントは、8/2から10/21までに形成された上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.786(6.6272円辺り)になります。
ボリンジャーバンドの-3σと重なっているため、とても納まりの良いポイントといえます。

なお、中期的見通しでは、8/2から10/21までに形成された上昇波(上記日足チャートで説明をした上昇波)の間(上限が7.5798、下限が6.3769の間)で、価格が横ばいに推移していくものと考えています。

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