米国の信用リスクは一旦収束しつつありますが、信用収縮を報じるメディアが少なからずあるとおり、信用収縮から景気後退を起こす可能性は排除されていません。今週は、なおくすぶりつづける信用リスクを確認しながら、メキシコペソ円が急落する前兆を見抜く方法を解説します。
  • なお露呈される米国の信用リスク
  • 市場が織り込む信用リスク度の確認方法
  • 市場が織り込む信用リスク度を使用した利確方法
  • 「JUNK BOND DEMAND」が「2.1%以上」達した後に12bp以上下落したとき、メキシコペソ円が急落!!

なお露呈される米国の信用リスク

 米国の金融機関は、今まで低金利政策の恩恵を受けて事業を拡大し続けてきましたが、昨今の金利高の影響でリスクが露呈しています。
 特に、破綻したシリコンバレー銀行のように期間が長めの債券を運用している金融機関は、巨額の含み損を抱えており、メディアやSNSで取り上げられては、株価が急落したり、預金が引き出されたりして、窮地に追い込まれています。

 最近では、米大手証券会社のチャールズ・シュワブがメディアやSNSで槍玉に挙げられましたね。これにより、チャールズシュワブの株価は37%余り下落しました。
 金融機関に対して疑心暗鬼になったメディアとSNSによる犯人捜しのような行為が続けられている以上、米国金融機関の信用リスクは露呈されし続けることになるでしょう。

市場が織り込む信用リスク度の確認方法

 米国金融機関の信用リスクが露呈されるたびに、政府、中銀や金融機関同士の相互フォローにより素早く鎮静化される面もあり、そのたびに為替市場も右往左往させられる始末であり、トレーダーはエントリーと手仕舞いの好機を逃したり、含み損を抱えさせられたり、大変な思いをさせられていることでしょう。

 個人投資家が金融機関の信用リスクを推し量ることは無理ゲーです。米政府の金融監督を担当している機関とか、それらとずぶずぶの関係にある関係者ぐらいしか金融機関の信用リスクを推し量る情報を持ち合わせていないでしょう。

 しかし、個人投資家であっても「市場が織り込む信用リスク度」については、それを確認する方法があります!「スタップ細胞はあります!」的ないかがわしいノリですが、その確認方法を解説します。

 下図は、CNN BUSINESSがリアルタイムで表示している「Fear & Greed Index(https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed)」の構成要素の一つである「JUNK BOND DEMAND (Yield spread: junk bonds vs. investment grade)」です。

 Fear & Greed Indexをご存知な方はいらっしゃると思いますが、これが7つの要素から成り立っており、各要素をしげしげと確認されている方はなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。ちなみに、オカタツは、事あるごとに、全要素を確認しています。

 上記ページの最下段に「JUNK BOND DEMAND (Yield spread: junk bonds vs. investment grade)」がありますので、是非確認してみてください。
 これはどういうチャートかと言いますと、タイトルのとおり「ジャンク債と投資適格債(米国債等)のイールドスプレッド」です。

 この値が高いときは、ジャンク債が売られてジャンク債の利回りが上昇し、その一方、投資適格債が買われて投資適格債の利回りが下落しているときです。
 信用リスクが高まって債券市場がヤバイと判断した場合、ジャンク債が売られて、投資適格債が買われますので、この値が上昇するということは、信用リスクが高いと債券市場が判断していることを意味します。

市場が織り込む信用リスク度を使用した利確方法

 ここからが話の肝です。
 上記で紹介した「JUNK BOND DEMAND (Yield spread: junk bonds vs. investment grade)」で、高い値に達した後に相当数下落したとき、メキシコペソ円は急落します!

 下図は「JUNK BOND DEMAND」で、「2.1%以上」に達したポイントを表示しています。
 メキシコペソ円が下落する条件の一つ目は、「2.1%以上」に達することです。

 2022/7/6に2.14%、2022/10/4に2.10%、2023/3/2に2.21%、また、2023/3/24に2.21%に達しています。

 そして、下図は上記各ポイントから12bp(0.12%)以上下落したときのポイントを表示しています。
 メキシコペソ円が下落する条件の二つ目は、一つ目の条件ポイントから12bp(0.12%)以上下落することです。

 2022/7/6に2.14%まで達してから12bp以上下落したポイントは、2022/7/20の2.00%です。
 2022/10/4に2.10%まで達してから12bp以上下落したポイントは、2022/10/18の1.98%です。
 2023/3/2に2.21%まで達してから12bp以上下落したポイントは、2023/3/3の2.02%です。
 また、2023/3/24に2.21%まで達してから12bp以上下落したポイントは、2023/3/31の2.07%です。

 上記二つの条件を満たした日以降にメキシコペソ円が急落する傾向があるため、その日以降に利確することをおすすめします。
 ただし、データ量が極端に少ないため、仮説にすぎません。いや妄想かも。。
 それでは、次項で、実際にメキシコペソ円が急落しているところを確認してみましょう。

「JUNK BOND DEMAND」が「2.1%以上」達した後に12bp以上下落したとき、メキシコペソ円が急落!!

 下図はメキシコペソ円の日足チャートです。

 前項で確認したメキシコペソ円が急落する日付に縦の白点線を引いています。
 当該ポイントの後に、急落しているのがわかりますよね。
 メキシコペソ円が急落する前兆を見抜いたら、早々に利確してみてはいかがでしょうか。
 あくまで仮説なので、信憑性はうすうす0.01mmぐらいです。(岡本だけに…)

 話は変わりますが、先日、財布を盗まれる夢を見たんですね。
 ネットで夢占いを確認したところ、お金が舞い込んでくるという吉夢でした。ホンマかいな(笑)この仮説がお役に立てば幸いです。

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