ジャクソンホール会議を終えてインフレ懸念がさらに進行

一昨日開催されたジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長による発言後、金融市場はブログ記事で記載した通りの動きを見せました。

おさらいとして、いつもの黒板をチェックしておきましょう。
  • 条件:「米国リセッション懸念」より「米国インフレ懸念」が大きい
    • FF金利利上げの激化
    • 米国長期金利が上昇
    • 米国株下落
    • ドル高
    • 円安

特に、FF金利予想については、今までの流れと異なる点を確認できました。


ジャクソンホール会議開催までは、来年7月あたりでの利下げを織り込んでいましたが、パウエルFRB議長の発言を受けて、その利下げ予想はなくなってしまいました。

9/2の米雇用統計はインフレ懸念に拍車をかける!?

米労働市場の強さを示す経済指標は出そろっています。先月に続き今月も雇用統計の結果は良いものになるでしょう。

そうなると、リセッション懸念が後退しますので、インフレ懸念がさらに進行するでしょう。

繰り返しの説明になりますが、本ブログでは、リセッション懸念とインフレ懸念のパワーバランスで金融市場の動向を判断しています。
一方が後退をすれば、他方が進行するという捉え方で、金融市場の動向を判断しています。

9/21のFOMCでは0.75%の利上げがほぼ確実

一昨日のパウエルFRB議長の講演で、「利上げについては経済指標に基づいて柔軟に決定をする」という趣旨の説明をしていました。
おそらく、9/2に発表される米雇用統計が好成績であるならば、FRBは思う存分利上げに踏み切るはずです。
また、パウエルFRB議長は空気(市場予想)を読みますので、1.00%という尖った利上げは無いと考えられます。

そうなると、9/21に開催されるFOMCでは、0.75%の利上げがほぼ確実でしょう。

0.75%の利上げが織り込まれ、9/2の米雇用統計までは持ち合い

楽観的な株式市場参加者は、ジャクソンホール会議まで株式を買い続けていましたが、その後、激しく戻り売りをして調整をしました。
先見性の高い国債市場参加者は、ジャクソンホール会議まで国債を売り続けていましたが、その後、小幅な調整に留まりました。

こうした値動きから判断すると、0.75%の利上げについて、株も国債もひと通り織り込みが終了しつつあるように見受けられます。
9/2の米雇用統計まで、金融市場は微調整が行われるに留まり、為替相場も含めて持ち合いになるのではないでしょうか。