先週はFOMCが開催され、SEPのドットプロットも発表されました。それによると、FF金利の来年の予想中央値は、0.25%の利下げが3回も見込まれていました。また、パウエル議長がまさかのハトポッポ発言を繰り出すと、米10年債利回りは急落し、それに連れてドル円も急落しました。
 先週金曜日、日本時間の1:00に、米10年債利回り(US10Y)は底値(3.887%)を付けました。その一方、原油は、OPEC+の減産と米シェールの増産がせめぎ合うなかOPEC+の減産が優勢になったのか、はてまた、単純に原油の需要が増えたのかはわかりかねますが、米10年債利回りとは逆相関して急騰しました。米10年債利回りが底値を付けた時間帯に、WTI原油価格は、直近戻り高値を上回るほど上昇しました。
 FOMC後、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「FOMCで利下げについては議論していない」とパウエル議長の発言内容とは相反するコメントをしました。また、ハト派のボスティック米アトランタ連銀総裁が「利下げは来年3Qからであり、0.25%の利下げが2回」との予想を発表すると、米10年債利回りは反発し、ドル円も反発しました。その後は原油価格が高止まりしたこともあり、米10年債利回りとドル円は、底堅い値動きを見せました。ただし、上値と下値を切り上げていくような値動きではなく、ふらふらと横ばいに推移している値動きなため、いつ値崩れして下落してもおかしくない状況です。欧米ではクリスマス休暇に入り、今週から年初までは薄商い時期となります。チョッピ―な値動きに警戒しながらトレードしましょう。
 今回も、米10年債利回りとドル円について、エリオット波動を利用して、楽観的(強気)な予想と悲観的(弱気)な予想を立てたいと思います。

米10年債利回りは、下落局面のなか、このまま下値を試すか、中間反騰するか!?

 先週のFOMCでは、来年の見通しで0.25%の利下げが3回も見込まれたため、10/23につけた天井値(5.021%)を上回って上昇するという今までの楽観的な予想は無しとしました。
 以下は米10年債利回りの4時間足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。

 悲観的な予想についてはオレンジ色ナンバーのカウントで示しており、楽観的な予想については黄色ナンバーのカウントで示しています。
 悲観的な予想も楽観的な予想も11/27 7:00までのカウントは同一です。

 悲観的なオレンジ色ナンバーのカウントの場合、現在、Ⅱ波のうちの[A]波、そのうちの(3)波が進行中です。
 さらに詳細にカウントすると、(3)のうちの4波、そのうちの[a]波から[b]波が進行中のようです。今後は[c]→[d]→[e]波と横ばいに推移してから5波により下落すると予想します。また、このまま下落することがあれば、既に➄波が始まっていると考えるべきです。

 楽観的な黄色ナンバーのカウントの場合、12/14 23:00に(3)波が終了しており、現在、(4)波のうちのA波、そのうちの➀波から➁波が進行しているようです。
 上昇の見込みは、(3)波値幅の0.236から0.382までの戻し程度です。値でいうと、4.077%から4.195%まで上昇する見込みがあります。

 チャートが見づらいと思いますので、1時間足チャートで拡大したものを以下に掲載しておきます。

今後のドル円の値動きも米10年債利回りの値動きに連動しそう

 東京タイムにおいて、ドル円は日本の実需の影響を受けて動きますが、それ以降は、やはり、米10年債利回りの値動きに連動して上下するでしょう。
 欧米がクリスマス休暇に入ったこともあり、休暇中でも稼働しているアルゴが今まで以上に相場に対して影響を与えてくることになるでしょう。そうなると、今までどおり米10年債利回りの値動きに併せて上下に振れることになりそうです。

 以下はドル円の15分チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。

 大局については前回の記事に掲載していますので、そちらをご確認ください。今回は、細かい変更点のみ確認します。

 悲観的なオレンジ色ナンバーのカウントの場合、現在、[4]波のうちの(C)波、そのうちの5波が進行しているようです。
 さらに詳細にカウントすると、5波のうちの➃波が進行しているようです。なお、先週予想したとおり、➃波はトリプルジグザグ(W→X→Y→X→Z)を形成しています。
 ➃波が終了すると、12/14につけた底値(140.949円)を下回って下落するので注意が必要です。
 ➃波(Z波)は、横ばいに推移すれば、直近高値を上回って上昇することは無いでしょう。また、このまま直近高値を上回って上昇したとしてもY波値幅の1から1.618倍程度しか上昇しないでしょう。価格でいうと、142.620円から143.357円までの上昇となりそうです。

 楽観的な緑色ナンバーのカウントの場合、12/14 12:30に[4]波が終了したものとしてカウントしています。
 現在、[5]波のうちの(1)波、そのうちの1波、さらにそのうちの➄波が進行しているようです。
 ➄波つまり1波が終了すると、2波による調整が始まり、12/14につけた底値(140.949円)を下限として下落するでしょう。その後は、添付図のとおり、3→4→5波という流れで上昇し続けるでしょう。
 1波の上昇見込みは、➂波値幅の1から1.618倍程度しか上昇しないでしょう。価格でいうと、142.620円から143.357円までの上昇となりそうです。