先週の12月7日、日銀のマイナス金利解除観測が報じられると、ドル円相場は雪崩のように崩れました。82年前の12月7日に真珠湾攻撃があったことから、海外では”UEDA Pearl Harbor attack”と揶揄されている始末。円売りしているトレーダーは日本人も含めて総攻撃を受ける事態となりました。
 その事実も確かなことではありますが、冷静に相場を分析すると、ファンダ的にも説明がつくことがありました。ドル円が急落する直前までの間、米10年債利回りが急落する場面があったのですが、普段は米10年債利回りの急落に連れて急落するはずのドル円が、下げずに妙に踏ん張っている期間がありました。米雇用統計発表を控えて様子見をしていたのでしょう。しかし、投機筋による大規模な円売りの巻き戻しがあったようで、それがトリガーになって、踏ん張っていたドル円はフラッシュクラッシュしました。ドル円相場は仕手相場と言われているとおり、仕手どもとそれらに翻弄されるミセスワタナベで織りなす賭博場であることを改めて認識させられるような展開でした。
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 さて、フラッシュクラッシュ後は、原油と米10年債利回りが反発したこともあり、ドル円も連れて反発しました。ドル円はこの急落で調整局面である[4]波が終了したようにも見えます。今後は、[5]波が進行して152円を目指して上昇し続けるのか!?エリオット波動を利用して今後の値動きを予想したいと思います。
 

米10年債利回りは、上昇下落を見極めるポイントに差し掛かかった!


 ドル円の予想の前に、米10年債利回りの値動きについてエリオット波動で予想したいと思います。
 米10年債利回りが上がればドル高になりやすく、下がればドル安になりやすいので、この相場はしっかり確認しなければいけません。
 以下は米10年債利回りの日足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。

 黄色ナンバーのカウントは、今後、10/23につけた高値(5.021%)を上回る予想になります。
 前日に、Ⅰ波のうちの[5]波、そのうちの(4)波が終了しており、今後は(5)波により上昇しそうです。

 その一方、オレンジ色ナンバーのカウントは、10/23につけた高値(5.021%)を天井として、今後も下落し続ける予想です。
 現在、Ⅱ波のうちの[A]波、そのうちの(3)波が進行中のようです。

 ここでチャート上に引いたトレンドライン(右下がりの赤斜線)に注目してください。
 このトレンドラインを上抜いたら、黄色ナンバーのカウントのように上昇する公算が大きく、その一方、このトレンドラインで反落したら、オレンジ色ナンバーのカウントのように下落する公算が大きいです。

 4時間足チャートでもう少し詳細なカウントを確認してみましょう。

 黄色ナンバーのカウントの場合、12/7 3:00に、(4)波が終了して、その後、(5)波が始まり、現在は(5)波のちの1波、そのうちの➂波が進行しているようです。トレンドラインに差し掛かっており、このトレンドラインを綺麗に上抜けば、上昇し続けるでしょう。
 オレンジ色ナンバーのカウントの場合、12/7 3:00に、(3)波のうちの3波が終了して、その後、4波が始まり、現在は4波のうちの[c]波が進行しているようです。トレンドラインで反落をすれば、5波により下落するでしょう。

ドル円は楽観的に見ても一旦下がりそう


 以下はドル円の日足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。ちょっと見づらいですが、大局のみを確認しましょう。

 楽観的にみると、先週のフラッシュクラッシュで一気に[4]波が終わったのではないかとみています。現在は[5]波が進行しており、152円を目指して上昇するかもしれません。
 また、悲観的にみると、[4]波がいまだ継続しているカウントも排除できません。

 1時間足チャートで詳細なカウントを確認しましょう。
 楽観的なケースを黄色ナンバーのカウントで示しています。その一方、悲観的なケースをオレンジ色ナンバーのカウントで示しています。

 楽観的な黄色ナンバーのカウントの場合、現在、[5]波のうちの(1)波、そのうちの4波から5波が進行しているようです。
 4波はとりあえずトライアングルを形成する想定([a]→[b]→[c]→[d]→[e])でプロットしています。第4波は複雑な値動きをしますので、トライアングルとは限りません。また、すでに5波が進行しているかもしれません。
 5波つまり(1)波が終了すると、(2)波による調整が始まり下落するでしょう。

 悲観的なオレンジ色ナンバーのカウントの場合、現在、[4]波のうちの(C)波、そのうちの5波が進行しているようです。さらに詳細にカウントすると、5波のうちの➁波から➂波が進行しているようです。
 3波終点(141.601円)を下回って下落する予想となります。なお、4波はダブルジグザグ(W→X→Y)を形成しているようです。トリプルジグザグ(W→X→Y→X→Z)を形成して、さらに上昇する可能性もあります。