昨日のドル円は、年初来高値の151.904円を付けてから、NYオプションカットでまとまった取引があったようで急落する場面がありました。本日は米CPIの発表を控えていることもあり、急落後は持ち合いを続けています。
 昨日までのドル円の急上昇は、エリオット波動的に解釈しても限界が来ていました。上昇後は修正波が始まり、下落したわけですが、今後どこまで修正されるのか、また、修正後はどこまで再上昇するのか、確認したいと思います。

本日米CPIをうけてインフレ懸念が後退することは無さそう

 本日発表予定である米CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.3%、コア指数が前年比4.1%です。総合指数は、前回値3.7%から鈍化するとみられています。その一方、コア指数は、前回値4.1%と同じ値であるとみられているようです。

 的中確率が高いと評判のクリーブランド連銀予想では、総合指数が3.16%であり、コア指数が4.20%です。クリーブランド連銀予想からみると、総合指数は大幅に鈍化する一方、コア指数は、加速するとしています。

 マーケットは発表された結果を見て、最初は、総合指数の鈍化に反応するかもしれません。クリーブランド連銀予想ほど鈍化しているとなると、ドル円は急落しそうです。
 その後、コア指数が鈍化していないこと、または、加速していることがフォーカスされて、価格を戻していきそうです。コア指数のほうが重要視されるため、マーケットからインフレ懸念が後退することは無さそうですね。

ドル円は中間反落中か!?

 下図は、ドル円の1時間足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。



 現在、(5)波のうちの5波、そのうちの[b]波が進行しているようです。
 [a]波が予想外に延長したようで、3波終点も上抜いてしまいました。
 [b]波は[a]波を0.382から0.786辺りまで修正します。価格でいうと、150.872円から149.777円辺りまで下落します。

 そこで、注目してほしいのはトレンドライン(赤色斜線)です。だいぶ前に引いた線ですが、未だに意識されているようです。このトレンドラインで反発するとなると、修正率0.5である150.552円から修正率0.618である150.232円程度までの下落で修正は終わりそうです。

 [b]波による修正が終わった後、[c]波により上昇します。いったいどこまで上昇するのか!?
 (5)波は、そのうちの3波の値幅が1波値幅の1.618倍以上に延長したエンディングダイアゴナルです。エリオット波動の特性上、5波が3波値幅の等倍以上伸びることはありません。5波が3波値幅の等倍になるポイントは、152.174円です。上昇の上限はこのポイントになります。昨年付けた天井値(151.944円)を超えた後、上昇余地はあまりありませんね。