先週木曜日(11/16)に原油価格が崩れ落ちると、その値動きに連動して米10年債利回り(長期金利)も急落しドル安になりました。原油安になるとインフレ懸念が後退し、長期金利が下がる地合いが生まれます。逆も真なりです。今週も引き続き、原油の騰落がトリガーになって、ドル円が値動きしそうです。
 原油と米10年債利回りの当面の値動きを考慮しながら、ドル円の値動きを予想したいと思います。

原油はこれから反発するか!?

 よく巷で取り上げられるアノマリーで、ヘッジファンド45日ルールというものがあります。ヘッジファンドは、解約ができるタイミングを決算日に限定しており、投資家の解約受付期限を決算日の45日前までとしているケースが多いらしいです。12月末決算の45日前が11/15であり、まとまった解約があったのかもしれませんね。
 解約を受けたファンドは決済しなければいけないため、11/16にまとまった原油先物のLONGが手仕舞いされて、原油が値崩れしたのかもしれません。
 なお、翌日の11/17には反発して、11/16に下げた分をほぼ戻しています。

 以下は、WTI原油先物の日足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。

 波動のカウントは、(仮)です。原油先物相場は、政治的な思惑が強く反映されるため、波動を読むのが非常に難しいです。そのため、カウントは適当なものだと思ってください。
 5/4から9/28まで上昇してきた価格は、先週までの間に大幅に調整されました。その調整も先週末で終了したか、または、終盤であると予想します。

 注目してほしいのはフィボナッチ比率です。
 まず、(2)波は(1)波を0.786程度修正している点です。ただし、0.786修正したポイントは、価格でいうと、70.36円になりますので、下値余地は若干あります。
 次に、(2)波のうちのC波値幅とA波値幅は、フィボナッチ比率(1:1.272)になっている点です。
 最後に、C波のうちの➀から➄波が、そこそこきれいなフィボナッチ比率で構成されている点です。➂波値幅は➀波値幅の1.618倍であり、➄波値幅は➂波値幅の0.618倍になっています。
 これらの点を考慮してみると、11/16でC波((2)波)が終了したと考えてもおかしくありません。

原油反発に連動して反発した米10年債利回り

 下図は、米10年債利回りの4時間足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。

 現在、(3)波のうちの5波、そのうちの➀波が始まったようです。
 こちらも原油と同じように先週末に反発しています。
 なお、4波は、そのうちの[a]波と[c]波の値幅が1:2.618であり、フィボナッチ比率になっています。
 前項目で予想したとおり、原油が上昇し続ければ、こちらも上昇し続けそうです。

米10年債利回りが上昇し続ければ、ドル円も上昇し続ける

 下図は、ドル円の4時間足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。



 前項目のとおり、米10年債利回りが上昇し続けた場合、オレンジ色ナンバーでカウントしたように、ドル円も上昇し続ける公算が大きいです。
 現在、(5)波のうちの5波、そのうちの[c]波が進行しているようです。

 ただし、黄色ナンバーのとおり、11/13 23:00に(5)波が終了している可能性もあります。
 波動の形から判断すると、オレンジ色ナンバーよりも黄色ナンバーで進行する可能性が高いです。
 黄色ナンバーの場合、現在、下降波である(1)波のうちの1波、そのうちの➃波、さらにそのうちの(a)波が進行しているようです。
 黄色ナンバーの場合、アップダウンを繰り返しながら下落し続けますので、高値掴みした買玉は、上がっているうちに手早く手仕舞いしたいところです。