先週は、米PCEが鈍化したり、タカ派で知られているウォラーFRB理事が早期利下げを示唆したこともあり、米10年債利回りがアホほど下がりました。また、先週末は、米ISM製造業景気指数が悪化したことやパウエル議長が以前よりはハト派と捉えられるような発言をしたため、米10年債利回りの下落は加速しました。
 ドル円急落の要因は他にもあり、OPEC+が協調減産に至らなかったことによる原油の失望売りも一因となったようです。原油価格が下落すれば、インフレ懸念が後退して早期利下げ期待が膨らみますので、ドル円は下落してしまいます。
 今週は、水曜日にISM非製造業が発表されます。米ISM非製造業景気指数は市場予想が52.0であり、前回の51.8から若干改善される見込みになっています。また、金曜日は、雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数の市場予想は20万人増であり、前回の15万人増から増える見込みになっています。どちらの指標も予想以上であれば、ドル円は上昇します。これらの指標が発表されるまでは、噂でドル円が買われる展開があるかもしれません。
 また、先週は投機筋による米債の爆買いと原油の売り浴びせが起きていましたので、今週はその巻き返しによるドル円上昇の可能性もあるかもしれません。
 先週末は米10年債利回りが4.2%を下回る異常な事態となりました。しかしながら、米国債発行し過ぎ問題と予算決定の先延ばし問題は、未だ解決されていません。11/2に発表された米国債の発行額は、予想よりも20億ドル低かっただけです。中東情勢はさらに悪化しています。パレスチナ自治区ではイスラエル軍による空爆が再開されており、紅海ではイスラム教シーア派武装組織フーシ派により米駆逐艦が攻撃されました。米国の財政支出はさらに増えることになるでしょう。来年2月には、米国債の発行額が増額されることは想像に難くないでしょう。また、予算についても与野党で折り合いがついておらず、来年1月まで暫定予算という形で先延ばししているだけです。このような状況下では、いつ米国債が格下げされてもおかしくはありません。もし米国債が格下げされた場合、米10年債利回りは5%に向けて巻き戻されることになるでしょう。

ドル円の波動カウントについて大きな波動から見直し。オカタツは強気派

 ドル円の波動カウントについて大きな波動から見直しました。
 現在の下落は、一時的な調整に過ぎないと判断しました。
 以下は、ドル円の日足チャートにエリオット波動のカウントをプロットしたものです。

 2023/11/15につけた高値を「(Ⅴ)波のうちのⅢ波、そのうちの[3]波終点」としました。
 現在は、[4]波により調整中としました。さらに詳細に見ていきましょう
 以下は、ドル円の1時間足チャートです。



 現在、[4]波のうちの(C)波、そのうちの5波が進行中としています。さらに詳細にカウントすると、5波のうちの➂波から➃波が進行しているようです。

 それでは、いったいどこまで下落するのか!?
 5波値幅は、波動の特性上、3波値幅の1倍以上にはならないため、下限は145.658円となりそうです。

 5波が終わるまでは、新規に押し目買いをしないほうがよいでしょう。
 また、5波のうちの➃波が進行しているうちは、利確できる買玉がある場合は、利確したほうがよさそうです。