今週は2/14のバレンタインデーに”毎度お騒がせします”「米国消費者物価指数(CPI)」の発表があります。前回は、総合指数とコア指数が共に鈍化したことにより、インフレ懸念は後退しドル円が急落する事態となりました。CPI発表後、132.4円から4円ほど下げましたが、先週の雇用統計等の好成績を受けて、CPI発表後に至った底値から3円ほど浮上しました。今回のCPIでも総合指数とコア指数共に鈍化することが予想されています。市場からチョコレートのように甘い期待が寄せられているCPIですが、予想に反して上振れた場合は、ドル円・メキシコペソ円ロングポジション保持者側が、チョコレートファウンテンでチョコレートペロペロし放題になるぐらい美味しい思いができるかもしれません。
  • ガソリン価格は上昇しているのに、米CPIは予想どおり鈍化するのか!?
  • 銅、材木、そして中古自動車価格も高騰した1月

ガソリン価格は上昇しているのに、米CPIは予想どおり鈍化するのか!?

 まずは、CPIに関する各指標の推移を確認しましょう。
 下図はCPI総合指数の推移です。
 

 次に、エネルギー費の推移を見てみましょう。

 上記二つの指標を比較してみると、前回は間違いなくエネルギー費の急落が主な要因でCPI総合指数が鈍化しているのがわかります。
 エネルギーのうち主な構成要素になっているのがガソリン価格です。昨年12月のガソリン価格は、3.324ドル/ガロンであり、11月の3.799ドルから大幅に下落しました。それで、エネルギー費も下落したわけです。
 しかし、1月は3.445ドルであり、12月から上昇しています。この価格推移を聞いて、今回のCPI総合指数が安々と鈍化すると思いますか!?

銅、材木、そして中古自動車価格も高騰した1月

 産業で広く使用される銅の価格は、7月から上昇し続けています。特に、12月後半から1月後半にかけてはそこそこ上昇しています。中国がゼロコロナ政策をやめたため、銅の需要が増えたと言われています。
 下図は、銅先物のチャートです。7月から上昇トレンドを形成して、12月後半から1月後半までの期間では、約12%上昇しているのが確認できました。

 次に材木の先物チャートを見てみましょう。
 1月に急騰しているのがわかりますね。材木は住宅の資材になります。ただし、材木の価格が直ぐに市中の住居費に反映されるものでもないので、1月の木材価格高騰がどの程度CPIに影響があるのかについては、定かでありません。

 最後に、中古自動車の話になりますが、1月の米中古車平均価格は前月比で+2.5%と反発しているそうです。中古車価格はCPI全体の3.6%、コア指数の4.5%を占める要素なので、看過できないニュースですね。

今週の利確&押し目買いタイミングはここだ!!

 今週もFOMCメンバーの発言が多数あります。発言予定のほとんどのメンバーがタカ派よりなため、ドル円とメキシコ円は上昇しやすい週となりそうです。しかし、一番のヤマバは米CPIのため、この指標の結果に左右されることになるでしょう。

 それでは、日次順に利確&押し目買いタイミングについて以下に記載します。このタイミングでは相場に参加して、対応すべき機会があればしっかり対応しましょう。

 1つ目は、日本時間2月13日 (月曜日) 22:00に予定している「米)ボウマンFRB理事の発言」です。
 下図の「FOMC Hawk/Dove Analysis」でタカ・ハト度合いを確認すると、ボウマンFRB理事はタカ派よりですね。
 タカ派な発言内容の場合、ドル円とメキシコペソ円は上昇するでしょう。
 その一方、ハト派な発言内容となった場合、ドル円とメキシコペソ円は下落するでしょう。

 最近のFOMCメンバーの発言内容は、タカ・ハト問わずほとんどがタカ寄りな発言をしている点にも留意しておきたいところです。
 ちなみに、投票権を持っていないFOMCメンバーの発言については、影響力がないため、ここには記載していません。

 2つ目は、日本時間2月14日 (火曜日)に予定している「日銀新総裁任命」の発表です。
 先週は、日経新聞の下手なリーク記事によって、噂が噂を呼んでドル円相場は振り回されることになりました。各メディアは、雨宮さんが辞退して植田さんが任命されたと報じていますが、これまた、決定事項ではないのですねえ。(よくわかんないです。。)
 植田さんが正式に任命された場合、既に市場では、その予想が織り込まれているので、ドル円とメキシコペソ円は限定的な動きになるでしょう。大きく下落することはないはずです。
 もし、雨宮さんが正式に任命された場合、ドル円とメキシコペソ円はサプライズで上昇するでしょう。

 3つ目は、2月14日 (火曜日) 22:30に予定している「米)消費者物価指数(CPI)」です。
 結果が市場予想を上回った場合、インフレ懸念が増大するので、ドル円とメキシコペソ円は急騰するでしょう。
 その一方、結果が市場予想を下回った場合、インフレ懸念が後退するので、ドル円とメキシコペソ円は下落するでしょう。

 4つ目は、2月15日 (水曜日) 01:00に予定している「米)ローガン:ダラス連銀総裁の発言」です。
 ローガン連銀総裁はタカ派よりですね。
 FOMCメンバーの発言とドル円・メキシコペソ円の騰落の関係についてはボウマンFRB理事と同じです。

 5つ目は、2月15日 (水曜日) 01:30に予定している「米)ハーカー:フィラデルフィア連銀総裁の発言」です。
 ハーカー連銀総裁は中立ですね。

 6つ目は、2月15日 (水曜日) 04:05に予定している「米)ウィリアムズ:NY連銀総裁の発言」です。
 ウィリアムズ連銀総裁はタカ派よりです。

 7つ目は、日本時間2月15日 (水曜日) 22:30に予定している「米)小売売上高」の発表です。
 結果が市場予想を上回った場合、景気後退懸念が縮小するので、ドル円とメキシコペソ円は上昇するでしょう。
 その一方、結果が市場予想を下回った場合、景気後退懸念が増大するので、ドル円とメキシコペソ円は下落するでしょう。

 8つ目は、日本時間2月16日 (木曜日) 22:30に予定している「米)生産者物価指数」の発表です。
 この指標はCPIよりも川上にあって、物価騰落を左右します。そのため、CPIと並べて注目されています。前回はCPIよりも前に発表されたこともあって、とても市場にインパクトを与えましたが、今回はCPI発表後に発表されるため、あまりインパクトはないかもしれません。
 結果が市場予想を上回った場合、インフレ懸念が増大するので、ドル円とメキシコペソ円は上昇するでしょう。
 その一方、結果が市場予想を下回った場合、インフレ懸念が後退するので、ドル円とメキシコペソ円は下落するでしょう。

 9つ目は、日本時間2月17日 (金曜日) 06:00に予定している「米)クックFRB理事の発言」です。
 クックFRB理事はタカ派よりです。

 10個目は、日本時間2月17日 (金曜日) 22:45に予定している「米)ボウマンFRB理事の発言」です。
 ボウマンFRB理事はタカ派よりです。

今週の利確&押し目買いポイントはココだ!

 押し目買いポイントが直近で到達したのは2022/12/20です。(参照:「今週のメキシコペソ円(MXNJPY)押し目買いポイント|2022/12/19」)
 そのときの価格は「8/2から10/21までに形成された上昇波のフィボナッチリトレイスメント0.786(6.6272円辺り)」ですから、もうそれ以下の押し目買いポイントまで下落することはありそうもないですね。

 利確ポイントも押し目買いポイントもここ6週間変更がありません。それでも、今週のCPIは破壊力抜群なので、どちらかに達するかもしれませんね。

 まずは、利確ポイントについて記載します。前回と同じ内容になりますので、ポイントのみ記載します。
 以下はメキシコペソ円の日足チャートです。

 一つ目の利確ポイントは「10/21から12/20までに形成された下降波のフィボナッチリトレイスメント0.5(7.0839円辺り)」です。
 軽く、ここは達しそうですね。米CPI次第ですが。。

 二つ目の利確ポイントは「10/21から12/20までに形成された下降波のフィボナッチリトレイスメント0.618(7.2009円辺り)」です。
 このポイントは良く反転するポイントなので注意したいところです。

 三つ目の利確ポイントは「10/21から12/20までに形成された下降波のフィボナッチリトレイスメント0.786(7.3676円辺り)」です。
 このポイントは、米CPIが上振れた場合、到達しちゃうんじゃないですかね。楽しみです。CPIの結果次第では、逆に、まっさかさーまーに堕ちて desire ってことも無きにしも非ず。。

 なお、中期的見通しでは、8/2から10/21までに形成された上昇波の間(上限が7.5798、下限が6.3769の間)をレンジとして、横横に動くと予想しています。長期的には、そのレンジを上にブレイクしてヒャッハー!ですね。

 次に、押し目買いポイントについて記載します。

 一つ目の押し目買いポイントは、前回に引き続き、上記週足チャートで説明した「週足ボリンジャーバンドの-3σ(現在値:6.3907円)」です。
 下図は、メキシコペソ円の週足チャートになります。

 ボリンジャーバンドは現在値から値が動きしますので、当日のチャートで正しい位置を確認しましょう。この価格に近づいたら、ツイッター(@Ryujuok)で報告しようと思っています。忘れることもあります。

 二つ目の押し目買いポイントは、ドル円が125円辺りまで下落して下値を固めたときです。
 125円は「500pips刻みライン」の一つであり、相場参加者に意識されるポイントです。ここでサポートされる可能性は高いです。

今週は、鬼が出るか蛇が出るか、それとも御仏のご尊顔を排することができるのか!?米CPIの結果次第です!