2023/12/4のドル円相場 はコメントを受け付けていません
先週は、米PCEが鈍化したり、タカ派で知られているウォラーFRB理事が早期利下げを示唆したこともあり、米10年債利回りがアホほど下がりました。また、先週末は、米ISM製造業景気指数が悪化したことやパウエル議長が以前よりはハト派と捉えられるような発言をしたため、米10年債利回りの下落は加速しました。
ドル円急落の要因は他にもあり、OPEC+が協調減産に至らなかったことによる原油の失望売りも一因となったようです。原油価格が下落すれば、インフレ懸念が後退して早期利下げ期待が膨らみますので、ドル円は下落してしまいます。
今週は、水曜日にISM非製造業が発表されます。米ISM非製造業景気指数は市場予想が52.0であり、前回の51.8から若干改善される見込みになっています。また、金曜日は、雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数の市場予想は20万人増であり、前回の15万人増から増える見込みになっています。どちらの指標も予想以上であれば、ドル円は上昇します。これらの指標が発表されるまでは、噂でドル円が買われる展開があるかもしれません。
また、先週は投機筋による米債の爆買いと原油の売り浴びせが起きていましたので、今週はその巻き返しによるドル円上昇の可能性もあるかもしれません。
先週末は米10年債利回りが4.2%を下回る異常な事態となりました。しかしながら、米国債発行し過ぎ問題と予算決定の先延ばし問題は、未だ解決されていません。11/2に発表された米国債の発行額は、予想よりも20億ドル低かっただけです。中東情勢はさらに悪化しています。パレスチナ自治区ではイスラエル軍による空爆が再開されており、紅海ではイスラム教シーア派武装組織フーシ派により米駆逐艦が攻撃されました。米国の財政支出はさらに増えることになるでしょう。来年2月には、米国債の発行額が増額されることは想像に難くないでしょう。また、予算についても与野党で折り合いがついておらず、来年1月まで暫定予算という形で先延ばししているだけです。このような状況下では、いつ米国債が格下げされてもおかしくはありません。もし米国債が格下げされた場合、米10年債利回りは5%に向けて巻き戻されることになるでしょう。
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2023/11/27のドル円相場 はコメントを受け付けていません
前回のブログ記事(2023/11/20のドル円相場)では、原油と米10年債利回りの反発がトリガーになってドル円も上昇するという内容でした。先週は、予想どおり、原油と米10年債利回りが反発しました。しかし、火曜日のアジアタイムまでは、それらの値動きにドル円が付いてこず、下落の一途を辿りました。その後は、特に米10年債利回りの上昇に連動してドル円も反発して、先週初の水準まで上昇しました。
円について最新のIMM通貨先物ポジションを確認すると、2023/11/14週は、2022年4月以来もっともNET SHORTが増えていました。多くのメディアでは、投機筋が決算前に積み上がった円のSHORTを手仕舞いしたという推測を報じています。原油と米10年債利回りが反発するなか、ドル円は下落したことから、この推測どおり、投機筋の円SHORTの手仕舞いが闊達に行われたとみて間違いないでしょう。しかし、その後は、先々週まで続いていた原油と米10年債利回りの価格に連動する地合いに戻っています。そうなると、投機筋による円SHORTの手仕舞いも一服したのではないでしょうか。
なお、各取引所は毎週火曜日の取引終了後のIMM通貨先物ポジション数をCFTCに報告し、CFTCはそれを集計して当該週の金曜日午後3時30分(米国東部時間)にホームページ上で公表するといわれています。確認したところ、11/27週は未公表でした。IMM通貨先物ポジションが更新したら、どれだけNET SHORTが減ったのか確認しなければいけません。
さて、投機筋による円SHORTの手仕舞いが一服したと仮定した場合、やはり、ドル円騰落のドライバーになるのは、原油と米10年債利回りになります。
原油と米10年債利回りの当面の値動きを考慮しながら、ドル円の値動きを予想したいと思います。
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2023/11/20のドル円相場 はコメントを受け付けていません
先週木曜日(11/16)に原油価格が崩れ落ちると、その値動きに連動して米10年債利回り(長期金利)も急落しドル安になりました。原油安になるとインフレ懸念が後退し、長期金利が下がる地合いが生まれます。逆も真なりです。今週も引き続き、原油の騰落がトリガーになって、ドル円が値動きしそうです。
原油と米10年債利回りの当面の値動きを考慮しながら、ドル円の値動きを予想したいと思います。
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2023/11/14のドル円相場 はコメントを受け付けていません
昨日のドル円は、年初来高値の151.904円を付けてから、NYオプションカットでまとまった取引があったようで急落する場面がありました。本日は米CPIの発表を控えていることもあり、急落後は持ち合いを続けています。
昨日までのドル円の急上昇は、エリオット波動的に解釈しても限界が来ていました。上昇後は修正波が始まり、下落したわけですが、今後どこまで修正されるのか、また、修正後はどこまで再上昇するのか、確認したいと思います。
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2023/11/8のドル円相場 はコメントを受け付けていません
前回FOMCでのパウエル議長の発言がハト派と受け止められ、また、その後に発表された米経済指標も悪い結果となり、ドル安・ペソ高の地合いが形成されておりましたが、昨日は、タカ派の中のタカ派であるカシュカリ連銀総裁とローガン連銀総裁が利上げの必要性を訴え、また、他のFOMCメンバーも当面は金利据え置きが必要であると主張したこともあり、ドル高方向に振れました。
米長期金利と原油価格が下落の一途を辿っているなか、ドル高になるという普段とは異なる値動きを見せています。この事象は、FOMCメンバーの発言により起きているところもあるようですが、ポンド、ユーロ、円、人民元が弱含み相対的にドルが強含んでいるという為替相場の関係性により引き起こされているところも多いようです。
米長期金利と原油価格が低い間に、ポンド、ユーロ、円、人民元売りが巻き戻された場合、ドル円は急落することも考えられます。それらのファンダメンタルを踏まえて、エリオット波動のカウントも変更することになりました。
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